後期の大学院授業「地域保全計画2」は、昨年度の西村幸夫『都市保全計画』、今年度
前期の石毛直道(編)『環境と文化-人類学的考察』に引き続き、以下の文献を輪読いたします。
ユッカ・ヨキレット『建築遺産の保存-その歴史と現在』(すずさわ書房、2005)
ユッカ・ヨキレット(Jukka JOKILEHTO)は1938年、フィンランド生まれ。イクロムおよびイコモスで重責を果たしてきた文化遺産保存の理論家です。代表作として、
A History of Architectural Conservation
(Butterworth-Heineman, 1999)
がよく知られており、昨年、秋枝ユミ・イザベルさんによって完訳されました。ヨーロッパにおける建造物保存修復の歴史と現状を把握できる待望の訳書といっていいでしょう。
ラールセンの著作をより深く理解するためにも是非読んでおきたい著書であり、今回の大学院講義のテキストとしました。目次を以下に示します。
第1章 伝統社会から近代へ
第2章 古代の再発見
第3章 啓蒙時代
第4章 古典時代のモニュメント
第5章 ロマン主義の時代
第6章 様式を尊重する修復
第7章 保存
第8章 理論と概念
第9章 国際的影響と国際協力
第10章 定義と傾向
輪読はほぼ隔週で木曜日の午後6時から31講義室でおこないます(会場の途中変更あり)。スケジュールと担当者は以下のとおりです。
①11月02日(山崎)第1~2章/p.25-88
②11月16日(中村)第3~4章/p.89-154
③11月30日(牧田)第5章~第6章1/p.155-214
④12月14日(岡野)第6章2~第7章4/p.215-272
⑤12月21日(波田)第7章5~第8章/p.273-344
⑥01月11日(塚本)第9章/p.345-412
⑦01月25日(長谷川)第10章/p.413-444 および 稲垣栄三「ミューズの幽閉-一つの保存論」(『文化遺産をどう受け継ぐか』三省堂、1984:p.88-123)
この授業は、学内の教員、県内の文化財関係者にも開かれております。受講ご希望の方は浅川までご一報ください。
追伸: さきほど県教委の松本さんから連絡があったのですが、「訳者の秋枝さんは、ベルギーの大学の先輩」だそうで、
訳者割引きが可能だそうです! ちなみに定価は16,000円(+税)ですが、一般に著者割引は×0.8ですから、
12,800円(+税)で買えるのかな??
- 2006/10/13(金) 01:22:09|
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