鳥取県福祉保健部長寿社会課から介護事業所職員人材育成研修の講演を依頼された。介護保険制度では、介護事業者に対し、介護が困難である認知症介護従事者の研修を義務づけて制度化している。研修の実施主体は都道府県で、わたしが依頼されたのは「認知症介護実践リーダー研修」の講師である。
「認知症介護実践リーダー研修」とは、介護保険事業所で人材育成にあたるリーダー養成のコースとされ、鳥取県では25人を対象に年1回実施している。
研修はタフだ。5日間の講義・演習→5日間の他施設実習→6週間の自施設実習→2日間の実習報告会と続く。わたしは、最後の最後、実習報告会の2日目に講演をするのだそうで、その役割は「アイスブレイク」だとのこと。「コーヒーブレイク」ならよく知っているが、まさか「アイスコーヒー・ブレイク」じゃなかろうし、よくわからないので訊ねたところ、「アイスブレイク」とは、
コミュニケーション技法の中で<緊張をほぐす>
という意味で使うのだそうである。長い実習や発表の労をねぎらい、互いの緊張をほぐして研修全体を振り返るために「アイスブレイク」が必要とのことで、その大役を仰せつかってしまった。ウクレレかギターを持っていったほうがいいかな・・・
さて、日時・会場・演題は以下のとおり。
日時: 平成18年11月15日(水)13:30-14:30
会場: 琴浦町 まなびタウンとうはく
演題: 「廃材でつくる茶室」から「加藤家修復プロジェクト」まで
講演者: 浅川滋男・大城智章

ところでところで、一昨日のブログで「縄文建築論」を連載する、と公言したにも拘わらず、何も始まっていないじゃないか。どうしたことか!?
とりあえず、竪穴住居の起源は2系統ある、というところからスタートしなければならない。一つは平地におけるテントの竪穴化であり、いま一つは傾斜面における「人工洞穴」の形成である。「人工洞穴」と言えば、ゴードン・チャイルドを思い出す。かれは1950年、
Antiquity という有名な雑誌に、
Cave Men's Buildings(洞穴居住者の建築物)
という短い論文を残している。東欧の後期旧石器時代に卓越する大型竪穴住居-それは大型獣の骨と毛皮で覆われていた-を、洞穴居住者が開地に出てきて「洞穴」風に築いた建築物だとみなしたのである。
日本でも、後期旧石器時代と縄文時代の境目に、洞穴を小型化したのような横穴風の住居が出現した。それは斜面に造られた竪穴住居であった。斜面に穴を掘って切妻の屋根を架け土を被せると、それはまさにミニ洞穴のような構造になる。上のCGは2001年にNHKが放送した「日本人はるかな旅」で使われた関東地方定住開始期の集落イメージ。福岡の大原D遺跡焼失住居(草創期)の復元模型をベースに、わたしが指導して図化したものである。斜面の洞穴風住居は平地の住居に展開していく。
御所野の大型住居は、斜面起源の横穴風竪穴住居が平地化した典型だとわたしは思っている。
- 2006/10/17(火) 20:27:04|
- 講演・研究会|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0