
加藤家のジャッキアップも間近となった。季節も涼しくなり、真夏の作業に比べると、いくぶん加藤家での作業も楽にはなったはずだが、トタン屋根一枚の小屋裏は秋の涼しい天候に関係なく蒸し熱い。本日の我々の作業は加藤家のジャッキアップにむけ、前期のプロジェクトで復元したイロリを解体し移動することだった。民家のジャッキアップにとってイロリは作業の妨げになるから、いちど解体して、工事完了後に組み立てなおす、という算段である。
まずは小屋裏に上がり、
自在鉤と
火棚を吊り上げていた藁縄をほどいて、それらを地面に下ろした。つぎに框をはずし、イロリの灰や底に敷いていた瓦などを掘り出した(↑上の写真)。そして、ついにイロリの壁の解体が始まった。この石は
鳥取城の石垣工事の余材を工務店からいただいたのだが、一つの石が30~40キログラムはある。あまりの重さに、前期にこのイロリを作製したときの記憶が思い出される。移動を含め作業は1時間ほどで終了した。

↑灰床の堀出しのようす ↓イロリにつかった石材の番付

今回自分の手でイロリを解体るすることが出来てよかった。火棚一つを下ろすにせよ、イロリの重たい石を移動するにせよ、それぞれを解体するにあたってよみがえる思い出たちは懐かしく、とても感動的だった。今こうして庭の片隅に積まれたイロリの石を見て思った。加藤家の修復工事が終了し、イロリを再び設置した際には、この新らしいメンバーでイロリの火を囲みたい。(デザイン学科2年Mr.エアポート)

↑解体後のイロリ間 ↓解体前のイロリ

運搬中の石を踏みつける教師・・・
- 2006/10/19(木) 23:21:20|
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