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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

加藤家修復記(Ⅰ)-リユースできない大引と根太

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 今日は2週間ぶりに奈良に帰ろうと決めていた。午前中、ちょっとした用事を済ませたら、昼過ぎのスーパーはくとに乗って、さっさと移動するつもりでいたのだが、10時すぎに岡野から電話が入った。加藤家で床めくりが始まったのだが、職人さんの見解によると、床板を支える大引(おおびき)と根太(ねだ)の傷みがひどく、大半の材を差し替える必要があるとのことで、古材を差し替えるか否かは「文化財的価値(材料のオーセンティシティ)と直結する問題であるから、こういう判断がわたしに委ねられるのは当然のことであり、昼過ぎに加藤家に直行した。
 たしかに、大引と根太の腐朽はひどいものであった。平成11年に床下の材を替えたオクノマをのぞくと、まともに再利用できそうな材がほとんどみあたらない。かりに再利用するとなれば、白蟻の餌食となって床が抜けてしまうであろう。建物には構造的安定性が必要であり、大引・根太の新材への差し替えはいたしかたない。ところが、興味深い事実があきらかになった。土台はしっかりしているのである。曳き家さんがそう言うのだから間違いない。白蟻除けの薬剤を塗布する程度で、再利用が可能だと曳き家さんはおっしゃるのだ。床下で土に接している土台が健全なのに、床から離れた大引や根太が傷んでいる。これは土台がクリ材であることと関係しているのだろうか。あるいは、ある時期、すでに土台を差し替えているのかもしれないが、大引や根太だって替えていないはずなかろう。また、土間の対面にある旧「女中部屋」?に至っては床と天井が完全に抜けているので、床・天井すべての材を撤去することになった。

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 以上の状況から、ここしばらく学生諸君が分担すべき仕事がみえてきた。

 1)白蟻除けの薬剤を古い土台に塗布する。
 2)新しい材に差し替えられる大引や根太を搬出し、古材倉庫の敷地までもっていく(倉庫竣工後は中に納める)。
 3)新しい根太の釘打ち。
 4)女中部屋で撤去される床材・天井材の整理。

 というわけで、来週もまたプロ研1年生は夕暮れまで埃まみれの作業になりそうです。先週指示していた欄間障子の貼り替えについては、管理者のKさんと相談の結果、少しあとにまわすことになりました。
 お菓子だけはたくさん用意してあるので、がんばってください。

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↑↓平成11年に改修された奥座敷の根太・大引は整然としている。しかし、束は千鳥になっている。束の配列に規則性がないことで床構造が弱くなっているので、何ヶ所か束を足して「根がらみ貫」を通す予定。
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 なお、19~20日の加藤家の活動・工事については、加藤家ホームページの「倭文日誌」もご参照ください。

  1. 2006/10/20(金) 22:32:10|
  2. 建築|
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