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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

素っぴんトマト

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  「なんだ、たったこれだけかいや・・・」
というのが、職人さんたちの素直な感想であった。学生たちが一昨日、千代川で集めてきた小石の量をみての感想である。
 昨日の午後、加藤家を訪れて、わたしも同じように思った。なぜ、かくも生産量が低いのか? 大学院生は答えた。

  「黒くてひらべったい石を探すんですが、なかなか見つからないんです。」

 「ひらべったい」という条件については、もちろん理解できる。土台の下に敷く石なのだから平たいほうがいいに決まっている。しかし、なぜ「黒く」ないといけないのか? 土台の下に敷きつめる地覆石が黒い色彩でなければならない必要性がどこにあるのか、わたしにはさっぱりわからない。「地覆石が黒くあるべき」というのは、大学院生の論理である。根拠のない論理だ。
 石はたくさん集めてくるのが良いに決まっている。多少デコボコしていようが、色彩がどうであろうが、大きさがどうであろうが、役にたたないことはない。小石ならば間詰めにも使える。どうしても使えない余った石は、茶室の基礎の修復用にまわせばいい。

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 一時過ぎに大学を出発して夕方まで作業し、どうしてあれだけの石しか集められないのか?
 そういえば、わたしは学生たちに「土嚢袋」を用意するよう指示しておいた。しかし、大学院生は「要らない」と判断した。2年前、「廃材でつくる茶室」の基礎石集めの際、土嚢袋を使って石を集めた。大学院生は、「あれは砂利用に使ったのです」と言う。
 2年前の10月、わたしはピエールやキムが、小石の詰まった30㎏もある土嚢袋を何袋か茶室に運び上げたのを覚えている。石を手で集めてどうするのか。どうやったら、効率よく大量の石を集めて運べるのか。準備不足としか言いようがない。ただ、石については、姫鳥線の工事現場の破砕石を分けていただける許可がおりた。だから、もう千代川に行く必要はない。代わりに、工事現場に行くのだ。重労働である。
 木舞壁用の竹も足りない。数えてみたら50本ほどしかなかった。細めの竹はたしかに見つけにくい。細竹が足りないなら、割竹を集めるしかない。大学の裏山で手に入るだろう。この作業もまだ続けなければならない。
 問題はゼミの時間の使い方だ。たまに肉体労働するから楽しいのであって、毎回こうではゼミにならない。このまえ聞き逃したインターンシップ中間報告を発表してもらいたいし、遅れがちな卒業研究については、繰り返し発表させて尻を叩かなければならない。さて、どうしたものか。どう時間を配分すべきか、いま迷っている。
 あえて付け加えておくと、学生が怠けているとは言いたいのではない。要領がわるいだけなんだから。ただし、大学院生はもっとよく状況を把握して、生産力を高めるべく努力する必要があったのではないかな。

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 写真は21日の田和山。大型竪穴住居の茅葺きが始まった。土に接する部分では、このように本葺き(真葺き)にする。茅の根本が地面側、穂が上側である。しかし、ここから上、棟までは逆葺きにする。茅の根本が上側、穂が下側である。こういう葺き方を、かつてアムール流域のツングース系漁労民族ナーナイの漁労小屋建設過程で実際にみた経験がある。
 松江にはなかなか行けないだろう。余裕があれば、奈良に戻って看病したい。田和山は大丈夫だ。いまのところ、何も問題ない。1年目はぼろくそに叱って指導していたが、昨年から軌道に乗り、今年は任せきりでも、安心してみていられる。来年の1月に米子で講演することになっているから、そのついでにでも、竣工した竪穴住居をみせていただこうかな。そのとき延期していた「吉田を囲む会」もやれればいいが、調整がつくだろうか。
 じつは、今日は大分に移動する予定であった。明日の横尾遺跡指導者会議に出席するためなんだが、もちろんこの会議もキャンセルさせていただいた。おかげさまで、数時間前に奈良に戻ってきて、面会時間はとうに過ぎていたが、厚かましく集中治療室に入っていった。部屋の灯りは消えていた。しかし、患者は起きていた。寝付けなかったらしい。河原町の「道の駅」で仕入れたパンとトマトジュースをみせたら、「食べたい」という。輪切りのオレンジをはりつけた味付けパンと干葡萄の入ったラスク。トマトジュースは日南町特産の「桃太郎トマト」と食塩だけで作った自然食品で、ビン1本が740円もする。品名は「素っぴんトマト」。トマトをすり下ろしたざらざらの食感が残っていて、たしかにまろやかで自然な味がする。
 明日から、病室で論文を書く予定。


  1. 2006/11/22(水) 23:59:29|
  2. 食文化|
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