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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

聖誕澳門(Ⅴ)

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 今日はフリーツアーの被害にあっている。帰国便は、香港国際空港を夕方4時半にたつフライトなので、優に半日はマカオに滞在できると思っていたのだが、旅行社は早朝7時45分の出発時間を指示してきた。初日にこの指示があったので、その直後からスケジュール変更を要求していたのだけれども覆らなかった。なにぶんマカオ在住のJ社ガイドは2名だけ。この2名だけで恐るべき数の旅行者を送迎しているから、フライトやスケジュールがどうであろうと、この日にマカオを離れる旅客を一括してフェリーに乗せるしかないらしい。それに、香港ではJ社が契約した免税品店が山ほどある。そこにできるだけ多くの客を連れていって、買い物をさせなければならないようだ。
 というわけで、今日は午前から柄にもない免税品店を歩きまわった。シャネル、グッチ、ブルガリ、アルマーニ等々、わたしにはまったく縁のない店が軒を連ねていて、何を買ったら喜ばれるのかさっぱりわからないのだけれど、それでもなんとか気をとりなおし、土産にどうかと値札をみると、桁違いのプライスにサプライズ・・・

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 昼食後、出発の3時間以上も前に国際空港に到着してしまい、チェックインはしたものの、フライトのゲートさえブランクになったまま。仕方がないので、「福茗堂茶寮」にしけこんだ。1年半前とまったく同じ台湾のウーロン茶「凍頂」と餃子を注文し、こうしてブログを書いている。前回、餃子にまぶした黄金色の薬味がなんだかわからかったのだが、メニューをよくみると「桂花餃子」と書いてある。ウェイトレスに訊ねて、薬味が「桂花」であることを確認した。そのウェイトレスは、缶入りの桂花粉末をテーブルまでもってきて見せてくれた。桂花とはモクセイ(木犀)のことである。中国では、モクセイの花を乾燥させ、香料として食料・飲料に混ぜる。いちばんよく知られているのは「桂花陳酒」か・・・(そう言えば、松江の「木星」は伊勢宮から東本町に引っ越したらしい)。
 1年半前と同様、茶と餃子の味に舌が驚いている。マカオの湯麺がマカオの文化そのものを映し出す大衆の美味であるとすれば、こちらの茶と餃子は選び抜かれた文明の味。敢えて喩えるならば、前者が大阪、後者が京都かな。
 空港の中には、複数のワイアレス・ネットワークが電磁波をとばしていて、そのうちの二つに接続できた。しかし、サイトは開かないし、メールも読めない。やはり台湾大地震の影響なのだろうか。できれば、余った時間を利用して、5日分のブログを一気にアップしたいと思ったのだが、うまくいかない。奈良に戻ってからの仕事になってしまった。
 あと1時間で、帰国便が離陸する。(完)


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【追記】 今回の訪澳は、「マカオのなかの中国」をフォーカスすると前置きしながら、結局、媽閣廟と係わる「阿媽(アマ)」の問題に終始してしまった。「関帝」(↓)やら「天官賜福」「門口土地財神」(↑)など漢民族の文化についても、もう少し触れてみたかったのだが、時間が足らなかった。なにより、わたしの頭が「漢族」よりも「アマ(海人)」に振れてしまっている。それにしても、潜水漁労にいそしむ海民の呼称や習俗が中国東南海沿岸と日本列島沿岸域とで共通する点に注目しないわけにはいかない。この問題をハロン湾の水上居民とも結びつけていけるのかどうか、非常に気になっている。

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 ところで、この連載のタイトルにした「聖誕澳門」だが、いろいろな含みをもたせている。まず「聖誕」とはクリスマスのこと。出発の日がクリスマスであり、帰国の日まで町中の飾り付けは変わらなかった。だから、「メリークリスマス! マカオ」というタイトルだと思っていただいて構わない。澳門の北京語読みはアオメンだから、キリスト教の「アーメン」とも音声がよく似ている。
 一方、今回の連載の芯になっているのは、マカオの起源としての海人信仰拠点論である。だから「聖誕澳門」を「マカオの聖なる生誕」と読みかえることもできる。
 台湾で発生した大地震の影響もあり、ネット上でのアップが遅れてしまったが、以下のサイトを通しでご覧いただければ幸いである。

   聖誕澳門(Ⅰ)
   聖誕澳門(Ⅱ)
   聖誕澳門(Ⅲ)
   聖誕澳門(Ⅳ)
   聖誕澳門(Ⅴ)
  
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  1. 2006/12/29(金) 16:33:52|
  2. 食文化|
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