1週間前の金曜日、大雪のなか、ひさしぶりに加藤家を訪問したら、だれもいなかった。今日は大工さんが勢揃い。あの
発表会の日(1月23日)以来、じつに17日ぶりに加藤家の修復工事をみた。監理者として恥ずかしいことだと思う。屋根の木工事も、あと一息。イロリの煙抜から立ち上がるダクトと越屋根(↑左上)、妻飾りを現在工事中。まもなく、
コアと
トチを使った軒付の作業に移行する。そういえば、イロリの自在鉤と火棚を吊す藁縄がダクト内部で腐朽した場合、取り替え難くなるから、途中まで鎖で吊して、鎖の先端から藁縄を下げるように修正する作業も進んでいた(↑左下)。
昼前に現場に到着すると、卒業論文の最終工程で修復建築スタジオに缶詰状態であるはずの居住者O君がいた。かれも好きなんだな、加藤家の工事が。大工さんたちの木工事をみて、それを記録化することが半分趣味になっている。だから、どうしても加藤家に足を運んでしまうんだろう。こういうふうに早起きをして、卒論以外の作業をこなしている4年生もいれば、
米子から帰ってまる一日爆睡し、尾崎家の仕事をほとんど前進させない某大学院生もいる。わたしは、最近、真剣に悩んでいる。いったいどうしたら、ああいうタイプの学生の生産性を高めることができるのか。叱っても、無視しても、発表中に退席しても、「単位を出さない」と言っても、効果がない。翌日には元のペースに戻っている。それで、また同じ説教をしなければならない。あとで、そういう自分が猛烈にいやになって自己嫌悪に陥り、夜は眠りが悪くなる。ところが、当の本人は一日8時間睡眠のペースを崩さない。飯もよく食らう。
大学院の博士課程だったころ、指導教官からもの凄く怒鳴られて、3日間お粥しか食べられなくなったことがある。すでに結婚していて、小さな子どももいた。ほんとうに、家内の作るお粥以外食べれなくなった。そういうことはないのだろうか、と思うのだが、食欲はいたって旺盛なのである、かれは・・・
あぁ、こういうことを書いている自分がまた厭になってきた。

↑軒付を待つ屋根 ↓建築は「隅」だ、「隅の納まり」だ!

話をポジティブな方向に戻そう。
O君の卒業論文は、なんと200ページの大作になるようで、この編集は大変な作業だ。だから、
加藤家ホームページのブログ
「倭文日誌」のほうは、そろそろだれかに受け継いでもらわなければならない。ということで、白羽の矢がたったのは、かのMr.エアポートである。まだ、2年生だが、適任者はだれかと言えば、この人しかいないであろう。昨夜、かれは彼女をつれて、わたしの研究室にあらわれ、さっそく受け継ぎについてミーティングした。そして、今日は居住者O君ともメールでやりとりし、明日、加藤家の現場で受け継ぎをおこなうとのこと。指示を出してからの展開が、じつにスピーディだ。
こうでなければいけないんだよ。

↑↓妻飾りの裏と表。ここに窓をつける。外側には格子を嵌めることになりそう・・・
- 2007/02/09(金) 23:00:46|
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