「鳥取は日本でない」と思ったことがある。たしか3年ほど前、おそらくキリンカップの試合で、相手はメキシコだったはずである。詳細は抜きにして、要するに、日本代表の試合があるというから、夕方、車を飛ばして帰宅したのだが、どのチャンネルをまわしても、サッカーをやっていない。奈良に電話すると、ワイフは「いまやってるよ、6チャンネル!」というから、またしても、チャンネルをぐるぐるまわすのだが、やはり、結果は同じだった。
こんなはずはない、と思った。この世の中に、自国代表のゲームがみられない地域があるなんて。よくよく考えてみると、鳥取ではニュース・ステーションをみることができない・・・・とすれば、答えは一つしかない。朝日放送(ABC)が試合の放映権をもっていて、鳥取には系列局がないから、試合がみれないのではないか。それでも、おかしい、と思った。なぜかというと、それは、その試合が日本代表の試合だからである。ものすごい視聴率を誇る日本代表の試合なのだから、チャンネル数の少ない地方では、他系列局がせめて深夜にでも放映するのがあたり前だろう。しかし、鳥取のどの局も、深夜に録画放映すらしない。
あのとき「鳥取は日本じゃない」と心底思った。こんなところには長く住めない。住んではいけない、と心に秘めた?のであった。
その翌年、大阪ABCのディレクターたちと一緒に中国を旅したとき、この問題について聞いてみた。
「鳥取には、なぜおたくの系列局がないんですか?」
答えは簡単。
「鳥取と島根に支局を設置しても、赤字になっちゃうんですよ」
さて、今日から韓国で東アジア選手権が始まった。放映権をもっているのは、くだんの朝日放送である。コンフェデをフジ&TBSにさらわれたリベンジなのだろうが、世界水泳選手権と抱きあわせで、民放とは思えないほどスポーツばっかし流している(それにもうすぐ甲子園でしょ!?)。で、今日は、朝からいろいろ画策した。ノビタのほか、心あたりにケータイしまくり、なんとか録画の手配だけは完了させた。
時は流れて、夕方6時半。大学の演習室にいるゼミ生たちに、
「お~ぃ、だれかケーブルTVもってない?」
と聞いたら、桂木のアパートに住む岡野とピエールがしぶしぶ手をあげた。で、じゃんけんに負けたのは岡野。結果、岡野の部屋で東アジア選手権の初戦をみることになったのである。観戦者はあわせて7名。わたし以外、サッカーに興味のある者はゼロなので、退屈だろうから、食い物と飲み物をあてがった。
さてさて、問題の北朝鮮戦だが、まともに論評する気にもならないほど凡庸な試合であった。要するに、中田と中村がいないジーコJAPANはこれほど弱い、という現実を素直に受け入れなければならない。まず第一にボランチと小笠原(トップ下)の距離が空きすぎている。これについては、宮本が自らディフェンス・ラインを押し上げ、もっと中盤に指示をださなければいけない。ブラジル戦のコメントでも触れたが、日本はもっと意識してコンパクトなゾーンに3ラインを形成しないと、今日の試合でみたように、ボランチと前線のあいだに大きなゾーンができ、敵の中盤がなだれ込んでくる。普段ならここに中田がいる。中田は敵の攻撃の芽を摘み取り、前線への縦のフィードをいつでも狙っているのだが、今日の日本は横パスをのらりくらり繋ぐばかりで、敵の守備陣形をまったく崩せなかった。小笠原も大黒も不調。中田・中村あっての存在でしかない、と酷評されても仕方ない試合であろう。
勝ち続けている限り、メンバーを変えないというのがジーコの哲学だが、これでコンフェデ以降、1勝1分2敗の負け越し。メンバーを入れ替えるしかないのではありませんか!?
- 2005/07/31(日) 23:17:25|
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