3月25日(行程6日目)。またもや天候は芳しくなく、小雨が降っていた。この日はハノイ市内視察で目をつけていた建物3件を中心に歩いてまわった。その3つの建物のおおまかな位置は、ホアンキエム湖周辺のエリアで、ハノイ大教会と玉山祠、旧市街地区内に旧家保存館がある。
ニャートゥー通りを西に進んだ突き当たりにハノイ大教会がある。ここは仏教寺院の跡地に建てられたハノイ市内最大の教会で、1900年代初頭に現在の2つの尖塔をもつネオ・ゴシック様式へと改築されている。土曜と日曜にはミサが催され、その際中にだけ内部を見学することができる。なので、10時から11時のミサに乗じて、内部へと踏み込んだ。ミサの際中なのだから、ずかずかと歩きまわれる雰囲気なはずではなく、堂の中央位置に座って、儀式の様子を見ていた。教会堂に入るのも初めて、ミサに参加するのも初めてなものだから、ここにいても邪魔なのではないだろうかと戸惑っていたのだけれども、ミサはおかまいなしに始まってしまった。参拝者はそう多くなく、欧米の人が主体であった。賛歌はパイプオルガンではなく、アコーステック・ギターで伴奏されており、なんともアットホームなミサというのが、個人的な感想だった。

玉山祠はホアンキエム湖のゴックソン島にあり、創建は13世紀にさかのぼる。現在の建物は1865年に建立、のちに再建されたものである。湖岸にある2つの門を抜けて、橋を渡れば、三つ目の門があり、島に辿りつく。ここから岸沿い時計回りに島の南側にいくと、左手に楼閣風建築、右手に正殿が見える。正殿は南面しており、3つの建物屋根が並んでいて、いわゆる双堂(ならびどう)形式を呈する。また、正殿にはいくつかの建物が接しており、幾度の増築を施した複雑なひとつの建物として捉えることができる。なお、玉山祠には名物がある。1968年に湖で捕獲された大亀の剥製が展示されている。これがなんとも亀とはいい難い顔をしていて、甲羅だけならスッポンに近い種のようにみえる。ちなみに、亀が展示された建物は真対称の双堂であり、亀は南側の棟に置かれている。

↑玉山祠の正殿 ↓正殿正面にある楼観風建物

↓亀を飾る正殿西脇にある双堂(亀がいるのは右側)

旧市街地区南東にあたるマ・メイ通りの中央に旧家保存館がある。その門前でツアーの客引きに捕まり、ここはつまらないからハノイ郊外のバチャンに行こうと誘われた。散々、断り続けてようやく諦めて去ってくれた後、旧家保存館のなかに入ると、「つまらない」なんてとんでもない。建物は、19世期に建てられた中国風の木造民家であり、聞くと築後120年経つという。1994年に町並み保存のために修復され、一般公開されている。そして、2004年に国の文化財として認定された。内部には中庭、居間、寝室、トイレなどで家具などを置き、建立当時の生活がどんなものであったが理解できる。(某大学院生)

↑旧家保存館の正面

↑旧家保存館の中庭 ↓居間のようす(机には螺鈿細工が施す)
- 2007/03/30(金) 02:09:06|
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コメント:1
3日分書きためているなら、一気にアップすればいいじゃないか?
- 2007/03/30(金) 12:35:38 |
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