なんの変哲もない休日。ネットで注文していた『高田渡読本』というムック本が届いて、しばらく読み耽っていた。
亡くなって2年も経ってから、こんな本を出しても遅いっていうんだよね。ったくマスコミってのは、生存中ほとんど無視してきたくせに、お亡くなりになってブレイクしたら、こういう本を続々出す。それにしても、もう少し丁寧な装幀にしてもらいたいですね。プロの紙面デザインとはとても思えない。わが研究室の報告書のほうがずっと綺麗にできている。さらに突っ込んでいうと、内容も甘っちょろい。転載の文章が多すぎます。書き下ろすべき人がきちっと書き下ろしていないし、インタビューにしてもありきたりだ。もう少し別の分野の大物を集めて鼎談させるとか、構成に工夫を凝らしていただきたかった。
目玉のように扱っている「代表曲6曲を採譜・収録」にしても、メロディーとコードが書いてあるだけで、ほとんど意味はない。高田渡の曲はだれだってコピーできる。譜面なんか必要ないんです。かりに楽譜を掲載するならば、「アイスクリーム」に代表されるような、やや難しめのフィンガーピッキングにタブ譜をつけて中川イサトが解説するとか、父親のバッキングするときの
高田漣のスライド・ギターを採譜するとか、そういう工夫があって然るべきじゃないでしょうかね。で、それをCDで聞かせるんですよ。実際、『
季刊アコースティックギター・マガジン』には、毎回CDがついていて、雑誌に含まれるあらゆる練習曲が音として収録してある。2000円という値段からしても、それぐらいのおまけがついていたって、なにもおかしくないんじゃないでしょうか。
そもそも、こういうムック本を作って、印税はちゃんと高田家に納められているのでしょうかね。かりに出版社が儲けているだけだとしたら、ほんと困ったものだと思います。
それにしても、高田渡のブレイクは大変なもんですね。
映画『タカダワタル的』がヒットしたと思ったら、本人が亡くなってしまい、いまや時代の寵児のように扱われているではありませんか。考えてみれば、鳥取の片田舎にある大学の研究室が、民家でのイベントに
「生活の柄」を3声のコーラスで歌うんだから、日本全国のフィーバー振りはきっと異常なんでしょう。高田渡はもうこの世にいないけれど、古民家に似合うシンガー&ソングライターを呼んでみたい、と最近考えたりしてします。
さて、わたしはと言えば、いくつかの報告書の原稿を日々修正しているんですが、どうしてもギターに手が伸びてしまうんです。堪えきれないわたし。いま格闘しているのは、「第3の男」「星に願いを」「虹の彼方に」の3曲。いや、難しい。なぜこんなに難しいのか、というと、アレンジが凝っているから。こういう編曲を初見で軽く弾いてしまうギタリストは日本全国に五万といるのでしょうが、鳥取県内ではどうなんだろうか。上手くギターを弾く人にお目にかかってみたいものです。アコースティックかエレクトリックかは問いません。ただし、ヘビメタ系はお断りです。
- 2007/05/03(木) 20:39:46|
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関口祐二氏編曲の曲集を小生も所有してましたので、「虹のかなたに」と「星に願いを」をトライしてみました。
「虹のかなたに」はまずまず弾けます(リズムはルバートになってしまいます)が、「星に願いを」はシンドイですね。殆どにセーハを必要とするアレンジですので鉄弦弾きにはきついし、押さえなれないコードが多いので、しばらく精進しなくては音楽にはなりそうにないです(ちなみに、「星に願いを」はチェット・アトキンスのアレンジも好きです)。
- 2007/05/03(木) 23:31:55 |
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- mifu #qbIq4rIg
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「虹の彼方に」のCodaのアドリブのところも、すんなり弾けるんですか? だとしたら、凄いですね・・・
- 2007/05/04(金) 00:36:32 |
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- asax #90N4AH2A
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