いつものことなんだが、一昨夜も帰宅したのが午前3時。そのまま就寝すればいいものを、DVDプレーヤーのスイッチを入れてしまった。GWの直前、『ジャコ・パストリアス モダン・エレクトリック・ベース』というDVDが届いていたのだが、長いこと鳥取を離れていたので、まだみていなかったのである。
スイッチをいれるんじゃなかった。ただの教則DVDだと思ったら大間違い。「世界最高のベーシスト」を自称する
ジャコ・パストリアスは、画面に映る存在だけで十分オーラを放っている。そういうミュージシャンがどのような練習をしてきたのか。映像を目の当たりにして、魅入らないわけはない。
ちなみにビデオ制作時(1985)、ジャコはすでにストリート生活者に堕しており、そのジャコを3日間ホテルに缶詰にして収録したというから、映像自体の重要性は計りしれないものである。この2年後(1987)、ジャコはフォートローダデールのクラブに入ろうとして門前で殴り殺される。もちろんかれが酒とドラッグに溺れて、異常な行動を繰り返していたのが原因であった。

ビデオでは、ジェリー・ジェモットがジャコにインタビューしながら、ジャコのエクササイズ(練習)やパフォーマンス(演奏)を聞いていくもので、もちろん英語でのやりとりに終始する。字幕はないが、日本語対訳シートがついていて、かれらの会話をなんとか追いかけることができる。この対訳シートに名言がちりばめれているので、抜粋しておこう。
●楽譜を読む
(略)ぼくはあとになって譜を読めるようになりたいと思って勉強したんだけど、それは面倒な作業だったよ。だって、もう演奏できるんだし(略)・・・陳腐な話だけど、とにかく一生懸命に練習した。(略)すでに演奏している若い人には辛い作業だよ。若いミュージシャンに「譜は読める?」と聞くと、「少しはね」と言ったりするけど、それは「読めない」ってことだよね。
●音の位置
それ(頭の訓練)がすごく大切なんだ。特に即興で演奏するときはね。音の位置を完全に把握することをめざす。そうすれば、適当に指を動かして演奏するんじゃなく、“本物”の演奏ができる。
●独学
ジェモット: 君は独学なんだね。
パストリアス: “正式”な独学だよ。
●音楽に対する柔軟性
音楽についての考え方を柔軟にして、常に新しいものを取り入れることだ。僕はフロリダの出身でね。音楽的偏見のないところだった。みんないろんな音楽をやっていたよ。キューバ音楽から交響曲まで、何でも聴けた。初めてニューヨークに行ったころは、みんなジャズをやっていた。ロックやファンクのことなんか、みんな何も知らない。ジャズばっかりだよ。いまのニューヨークはいい。何でもある。かつてのフロリダもそうだった。(略)だからいろんなタイプのミュージシャンとやれて幸運だった。カントリーのバンドでもしばらくやってた。最高に楽しかったよ。(略)とにかくオープンにいろいろ聴くことだ。それが僕にできる唯一のアドバイスかな。常に耳をすませて、いろいろ聴くことだね。

最後にジョン・スコフィールド(ギター)、ケンウッド・デナード(ドラムス)とのギグを3曲披露している(ジョンスコは2曲のみ)。ジョンスコのギターも確かに凄いけれど、これぐらいの演奏をするギタリストなら世界中にたくさんいるだろう。ジャコの演奏は別次元だ。ジャコは三蔵法師で、ジョンスコは孫悟空みたいなものかな。
孫悟空の代わりはいても、三蔵法師の代わりはいないっていう喩えはおかしいだろうか?
楽器を演奏するのがヤになった。
また人前で演ろうと決めたばかりだったのに・・・


金曜日のゼミのあと、修復建築スタジオで4年生とジャコのDVDをみた。3年生はデザイン演習で製図室に戻った。それにしても左SHはゼミのあいだよく眠っていたな・・・

↑じゃこんぼー ↓じゃこ春が来た 被っているのは
グラスゴーで仕入れたセルティックスの帽子です。


↑ジミヘンとまと ↓シムケン殿
- 2007/05/12(土) 00:10:20|
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