
鳥取から奈良に帰る途中、母の家に寄った。土曜日のことである。あれっ、「母の日」はいつだったっけ?
すると、因幡弁で母は言う。「明日だで」。
例年ならば、家内が手配して、宅配でカーネーションを送るのだが、今年はどうなんだろう。心配になって電話したら、やはり何もしていないという。わたしは町の花屋さんに直行した。
いや、カーネションも種類が多いですね。たぶん10種類以上あって、どれを選ぶかずいぶん迷った。店の若奥さんに相談にのってもらっていたんですね。すると、その奥さんが笑いながら言うのです。
「噺家さんみたいなしゃべり方でおもしろいですね!?」
こんなことを言われたのは、生まれてはじめて・・・ふふん、これはたぶん高田渡の影響だぞ・・・車で毎日のように聞いている
ライブCDでの高田渡のおしゃべりは古今亭志ん生そっくりだから、あれが伝染してしまったんだ、きっと、無意識のうちに。

じつは最初から、あるカーネーションに目をつけていた。紫がかった赤と白の花びらのカーネーション。ここだけの話ですが、紫が患者のイメージカラーなんですね。いつか述べた「
てっせん」を思い浮かべてください。二人の母にはイメージカラーなんてあるわけないので、結局、これで決まり。しかし、母の日と言えば、やはり真っ赤なカーネーションも欲しいから、それを少しだけ混ぜて霞草を散りばめた。
花も高いね。なにせ、母の日の前日だから、普段の倍近い値段でも花は売れていく。これは大変だと思い、カーネーションの株を減らし、霞草は2束に分けてもらった。
「ドキドキしますね?」
「えっ、何がですか??」
「レジの値段がいくらになるのか、ですよ。貧乏ですからね・・・」
「(ガチャガチャ・・・ピ~ン)2,840円です。」
「良かった、これぐらいで済んで。」
と言って、1万円札を若奥さんにわたすと、
「あらぁ、こんな大きなのもっていらっしゃって、お金持ちなんですね!」
「いやぁ、1ヶ月の生活費なんですよ、それは・・・」
「まぁさかぁ、食事1回分なんですよね?」
家内の母はいま奈良の家で患者に付き添っている。だから、社と奈良の二つの家におなじ花束が飾られているんだが、母の日に家内の母は言う。
「このカーネーション、昨日よりも綺麗にみえるわ!」

母の日にわたしは何をしていたかというと、またしても「
天理楽器」に足を運んでいた。
フラット・マンドリンはどこを探してもなくて、大阪のナカイ楽器に行くしかない、というような話をかつてお店でしたところ、ここの若い店長は「取り寄せます」と言う。
で、手頃な値段の2種類が届いたという知らせがあったもので、それを見にいったのである。取り寄せてもらったからには、どちらかを買うしかないのだが、正直なところ安い方を買えばいいだろう、と決めていた。ところが、その安い方はマホガニーの素木(しらき)で出来ていて、とてもブルーグラス用のフラマンに見えないのである。音色はもちろん高いほうが良いに決まっている。
さんざん悩んだ。
で、高いほうを買いました。
今は亡き高田渡と坂庭省吾が愛した楽器だからね。
お二人への哀悼をこめて、高いほうにしたんです。
- 2007/05/14(月) 00:16:07|
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コメント:2
フラットマンドリンってのはいじった事ありません。学生時代、ブルーグラスやってた連中が弾いてた筈なんですが、まったく印象に残ってないなぁ。
円山公園の宵々山コンサートに行けば聞けたのでしょうが、行くのを考えているだけで、そのうち省吾さんは逝っちゃいましたものねぇ。
いつか演奏を聴かせてください。
- 2007/05/15(火) 23:07:26 |
- URL |
- mifu #qbIq4rIg
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ヤフーで検索すると表記のサイト
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/fmando/が一番上にでてきますね。フラマンでジャズをやっている人のサイトのようです。なんでもかんでもジャズやりゃぁいいってもんじゃないでしょうにね・・・わたしは高校時代、6000円のフラマンをもっていました。あれはどこに行ったのか? 初歩からやり直しです。 坂庭さんはナターシャセブン時代にライブをみました。バンジョーとマンドリンがもの凄く上手かった。クライマックスでギターを弾いてる人と同一人物とは思えませんでしたね。
- 2007/05/15(火) 23:47:05 |
- URL |
- asax #90N4AH2A
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