FC2ブログ

Lablog

鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

「知の財産」助成研究に新規採択!

20070529044441.jpg

 2007年度の<とっとり「知の財産」活用推進事業>に申請していた研究が採択された旨、県の担当部局より連絡がありました。一昨年度の「市町村合併にともなう文化財の地域問題」に続いての採択です。
 今年度の研究テーマは以下のとおりです。

     山陰地域の弥生時代建築に関する実証的復元研究
       -史跡整備のための資料集成と復元マニュアルの作成-

 ひと言で述べるなら、県内で多数出土している弥生~古墳時代の焼失竪穴住居と青谷上寺地の建築部材を総合的に研究して、弥生時代建築の「文法」を実証的に復原しようという目論見です。青谷上寺地についてはまたいくつか復元CGを制作、焼失住居跡については昨年度の課題対応スキル事業を継承して1泊2日程度のシンポジウム&ワークショップを開催しようと考えています。県内の文化財主事のみなさんにお集まりいただくことになると思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

 以下、申請書からの抜粋です。


 地域課題の概要: 文字資料のない先史時代の建築については不明な部分が多く、これまで想像復元のレベルにとどまっていたが、鳥取県では山陰道建設予定地などの発掘調査によって200棟を超える「焼失竪穴住居跡」(弥生~古墳時代)が出土しており、床面に残る炭化部材等から実証性の高い住居構造の復元が可能となっている。また、地上に建つ非住居系の「掘立柱建物」についても、青谷上寺地遺跡(弥生時代)で出土した約7000点の建築部材によりほぼ完璧な復元が可能である。このように、鳥取県は<住居系/非住居系>双方の弥生時代建築が実証的に復元されうる希有な地域であり、その体系的な研究は学術的に画期的な成果をもたらすだけでなく、妻木晩田遺跡や青谷上寺地遺跡などで進行する復元事業にとって必要不可欠な基礎作業と位置づけられる。しかし、現状では「焼失竪穴住居跡」「建築部材」のいずれも体系的な整理分析ができていない。これを建築史研究者と埋蔵文化財(考古学)研究者が協力して研究を深め、復元事業に資するだけのレベルに高めなければならない。
 調査研究内容: 上の地域課題を解決するために、以下の3つの方向から研究を進めていく。
  ①鳥取県内で出土した「焼失竪穴住居跡」の全資料をデータベース化する。鳥取県と関係の深い島根県の資料もこれに加える。 
  ②山陰(鳥取・島根)の「焼失竪穴住居跡」に関するシンポジウムを開催して、発掘調査担当者・考古学者・建築史学者の意見交換をはかるとともに、重要な「焼失竪穴住居跡」の復元模型制作に関するワークショップを開催して、竪穴住居復元の基礎教育をおこなう。
  ③青谷上寺地遺跡で出土した約7000点の建築部材については、県埋蔵文化財センターがデータベースのインターネット上での公開を進めているが、この作業と連動して、重要な部材を拾い出して複合化し、いくつかの建築類型のCG復元を試みる。
 予測される効果: 現在、国史跡「妻木晩田」遺跡では、12棟の弥生時代建築の復元設計を中心とする本格整備の準備を進めている。この12棟の復元設計にあたって、出来る限り多くの資料を集成・分析して弥生時代建築の実像に接近し、全国の模範となる革新的な復元事業として成功させたい。この成果は、近い将来取り組まれる青谷上寺地遺跡の整備事業にも還元され、さらには県外の多くの弥生集落遺跡整備事業に取り入れられるであろう。また、青谷上寺地遺跡の建築部材による「掘立柱建物」の復元については、昨年の「日本最長の出土柱材」による「楼観」復元報道のように、ニュース性が非常に高く、全国に鳥取県の名を知らしめる絶好の広報媒体となりうるものである。



  1. 2007/05/30(水) 00:26:24|
  2. 研究室|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
<<『北海道考古学』第43輯 発刊! | ホーム | ボトルネック・ブルース>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://asalab.blog11.fc2.com/tb.php/990-ff342c5e

asa

04 | 2020/05 | 06
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search