『北海道考古学』第43輯が大学に届いていた。この号の特集は「遺跡の保存、そして活用」。以下の7篇の論文が寄せられている。
<鷲ノ木遺跡の保存・活用への提言>
長沼 孝「鷲ノ木遺跡の保存と史跡指定」
藤田 登「鷲ノ木遺跡の調査と将来構想」
<遺跡の個性と活用の実践>
寺崎康史「史跡ピリカ遺跡の保存と活用について」
武田 修「史跡常呂遺跡の保存と活用」
田原良信「特別史跡五稜郭跡の復元整備と活用について」
<遺跡保存・活用の理念と文化財行政>
浅川滋男「木造建築遺産の保存と復元-日本の可能性」 畑 宏明「私の文化財保護」

北海道森町の鷲ノ木遺跡は高速道路の建設の事前調査でみつかった縄文後期のストーンサークルと竪穴墓の遺跡。2004年の北海道考古学会にわたしが招聘されて講演したときには、保存か開発かの論争真っ最中で、わたしが呼ばれたのも鷲ノ木遺跡の保存運動を活性化させることを目的としたものであることをあとで知らされた。保存運動の甲斐あり、昨年1月、鷲ノ木遺跡は国の史跡に指定された。『北海道考古学』第43輯は、その指定記念号のような趣きがある。
わたしは、自分の講演では「北海道」のことをほとんどしゃべっていない。いつものことだが、ユニバーサルな視点から「遺跡の保存と復元建物」の問題を論じた。
この原稿は1月下旬から2月初旬にかけて書いていた。ちょうどあのころ大学院の授業で輪読していた
ユッカ・ヨキレットの『建築遺産の保存』の影響がじんわりでている。
抜き刷りを50部頂戴したので、ご希望の方にはお分けいたします。ご連絡ください。
- 2007/05/30(水) 23:49:29|
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