どういうわけか、わが家のトイレに2002年の日めくりカレンダーが吊してある。表紙に「決定版 四字熟語」とあって、裏表紙に「presennted by TRY-X 」と書いてあるから調べたところ、TRY-Xはカレンダーやポスターを売る会社のようだ。
で、ほんとにどういうわけか、この2~3ヶ月のあいだ「右顧左眄」という四字熟語のページがずっと開いたまま。便座に腰掛けると「右顧左眄」の4文字がどがんと目に入る。
その解説によると、「右顧左眄(うこさべん)」とは、「右を見たり、左を見たり、周囲の様子を気にして決断しかねているようす」とある。みなさん、どうですか。この解説を読んでただちに思い浮かぶ人物が一名いるでしょ?
それにしても、「うこさべん」は、便器にすわって眺めるに最適の音声ではあります。いったいだれが吊したのか。案外、受験生かもしれない・・・
この週末は加藤家住宅報告書の校正をずっとやっていた。思っていたより、はるかに大変な作業でした。よく100日以上もブログ(「倭文日誌」)を書き連ねたものだ。正直、文章はうまくないが、最初のころより最後のほうがぐんと良くなっている。ブログを書き続けることによって、文筆力が向上していく経過を読み取れるのである。
チャックが編集し、プリントアウトされた紙面はわたしのチェックで真っ赤になってしまったが、ここではっきり述べておくと、こうして紙面上で修正できる原稿はマシです。大城の文章はうまいとは言えないが、いちおう合格ラインをクリアできている。「右顧左眄」氏になると、こうはいかない。テキストを送信してもらって、ワープロ・ソフト上で直していくしかありません。加藤家の報告書は、もう少しで目途がたつ。今週の金曜日には入稿の予定です。一方、尾崎家のほうは遅れてしまった。こちらを先に入稿したかったのだが、氏が頑張って編集した原稿をGWに読んでいたら、勉強しなおさないといけないところがいっぱい出てきて、1章付け足すことにした。だから、加藤家の後塵を拝している。

疲れた頭を癒やそうと、VHSの中古ビデオを1本みた。ステファン・グロスマンの「ハウ・トゥ・プレイ・ブルースギター」(写真はグロスマンではありません)。つまらなくて眠ってしまった。隣に坐っていた家内もうたた寝していた。ステファン・グロスマンはブルース・ギターを弾いているのだけれども、ブルースを表現できていない。それはサンプルとして出てくるサン・ハウス、マンス・リプスカム、ゲイリー・デイヴィス、エリザベス・コットン、
ライトニン・ホプキンスら本物のミュージシャンの古い映像と比べれば一目瞭然。これらのブルースマン(&ウーマン)はブルースを歌い、ブルースを演奏しているのだけれども、グロスマンはその技術を真似てるだけ。いちばん大事なものが消えている。以前に聞いた
打田十紀夫の教則ビデオと比べると、打田のほうがグロスマンよりもさらに綺麗にギターを弾きこなしている。しかし、二人ともブルースを表現し切れているわけでもないし、新しい芸術音楽に昇華しているわけでもない。。
クラプトンは、こういう初期のブルースマンたちの影響をもろに受けながら、その音楽的栄養分をみごとに吸収・咀嚼して自分の芸域をひろげていった。こうでないといけませんね。本物のブルースマンと教材を作る人たちとの差は、芸人(芸術家)と研究者の違いだと言ってよいかもしれない。自分にとっても耳の痛い話であって、そろそろ研究者を脱皮して芸域をひろげないとね。
- 2007/06/05(火) 03:20:49|
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